自画自賛

自己満足のためのブログ

薬物依存症

僕の知り合いに3人の依存症がいる。そのうち2人はアルコールで、1人は薬物だ。その全員が依存状態の時に自分が依存症であることを否定していた。
 インドを旅行していた時、薬物依存症の日本人と出会った。マサさん、40歳男性。彼は安宿の屋上で毎日ガンジャマリファナ)を吸って、時々コカインを決めていた。アヘン以外はやったことがあるという彼に、コカインの効能をきくと、「スーパーマン!ってなる」と彼は教えてくれた。
彼はお金が尽きると日本に帰り、バイトをしてお金を貯めるとまたインドに戻ってくる。「マサさん、ヤバいっすね。立派なジャンキーですね」と誰かが言うと「俺はいつでも止められる。現に日本にいるときは一度も吸っていない」と説得力があるのかないのか分からないようなことを言っていた。
 でも、ガンジャを吸うために日本でその日暮らしをしているようでは、立派にジャンキーだと思う。しっかりと精神的に依存している。彼は、定職に就かず、結婚もせず、一般的な幸せを捨て、薬物使用のために生きている。でもいつか、彼はガンジャを吸いにインドに行けなくなる日が来るだろう。仕事がもらえなくなる。お金が無くなる。体力がなくなる。親から白い目で見られる。インドでも居場所がなくなる。大体20~30歳の旅行者が多い中で、40歳のトシさんは当時も既に浮いていたけれど。
その時、彼は街中で売られている脱法ドラッグに手を出さないだろうか。国内で違法なドラッグに手を出さないだろうか。もし、手を出さなかったら、一体これまでの人生は何だったのだろうと思わないだろうか。マサさんのようにドラッグに嵌ると他の生活が破綻する。破綻すると守るものがなくなる。人生と薬物を天秤に掛けた時、普通は人生の方が重いのだけれど、破綻した人生と薬物では薬物の方が重い。少なくてもそう錯覚する。だから、僕は彼がドラッグの世界から抜け出すのは無理だと思う。
ましてやこの頃話題の覚せい剤、想像を絶する。

 アムステルダムに旅行に行くのでガンジャを試したいけどどうか、と聞かれたら、僕は「やめておいた方がいい」という。そこでは合法だし、ガンジャなら依存性も少ない。ただ、最初に酒を飲んだ時うまく酔えなかったように、最初にガンジャを吸った時もうまく楽しめないかもしれない。だから、それは覚悟した方がいい。そういう意味では何回かトライしてみるのがいい。
 でも、これからアムステルダムに住むならともかく、何度も旅行で行けないアムステルダムで日本では体験できない快感を味わうことを懸念する。人生においてあまり意味のない体験にならないだろうか。自慢するほど吸ったわけでもなく、そもそも自慢してもかっこよくもなく、嗜好品としても日常では使えない。あまりメリットがない。ドラッグ体験は「知らない方がいいこと」の一つだと思う。他は殺人、いじめ、ギャンブルなど。