自画自賛

自己満足のためのブログ

気がつくと、リビングに無数の蟻がいた。
一匹一匹はごま粒のようなサイズなので、一見何もいないように見える。しかし、目をこらすと何十匹の蟻が見える。

最初、妻が見つけて悲鳴をあげた。
僕はそこでテレビを見ていて、それまでは気づかなかった。

原因はどうやら娘の落とした食事たちのようだ。何かの拍子に入ってきた蟻が仲間を連れ、行列を作ったようだ。

「早く殺して!」妻がティシュで蟻を始末しながら残虐なことを言う。
僕はなるべく殺したくないけれど、妻の要請に渋々応える。

蟻も一つの命だ。小学校で歌った歌に、「みんなみんな生きているんだ、友だちなんだ」とあったが、妻にはその教育は失敗したようだ。そんな妻を持った夫も結局ポリシーを貫くことなく駆除に参加することになる。
というか、学校で過激な教育をするから良くない。ここ最近ネットに湧く不謹慎狩りもそうだ。
仮にどこかの有名人が、「今日、家に蟻が湧いたので駆逐しました〜」なんて書いたら炎上でしょう?でも、皆やってるから、歪みが生じる。

途中、僕は駆逐から逃げるように蟻の侵入経路を追うことにした。行列を辿ると玄関から外に出ている。そこから、マンションの廊下を辿り、手すりを伝い、固定されている配管を辿って地上に続いていた。とんでもない根性だ。

僕も一緒に配管を伝い、地下の巣に入り、ゆっくり寝ていたいなんて思ったり、思わなかったり。