自画自賛

自己満足のためのブログ

ランチボックスを買った

ランチボックスを購入した。Seagullのオーバル型ランチボックス16cm。タイのブランドでステンレス製。18-10ステンレスを使っているようで、これはなかなかハイクオリティだ。どうせなのでステンレスについてちょっと説明しよう。
 まずはステンレスの親父、鉄から説明する。鉄は人が昔から使ってきた便利な金属だ。今も車や建物の鉄骨など至る所でたくさん使われている。なんでかというと、地球上にたくさんあるし、他の金属より安く作れるし、加工しやすいし、強度もあるからだ。でも、弱点がある。それは水や塩との相性が良くないこと。錆びやすいのだ。だから、鉄はそのまま使われることは少なく、表面にペンキが塗られていたり、コンクリートで覆ったりして使われている。当然、錆びない鉄が出来たらこんなに素晴らしいことはないのにな、と昔の人は考えた。そして、色々と研究された結果、クロムという金属を混ぜると錆びない鉄が出来ると気づいた。それがステンレス鋼だ。ステン(錆)+レス(ない)+鋼(はがね)というわけ。この便利な材質を僕らは日常的に流し台やナイフ、フォーク、腕時計などに使っている。僕の買ったランチボックスもそうだ。
 さっき、鉄にクロムを混ぜるとステンレスになると言ったけれど、さすがに1%混ぜただけではそんなに効果はない。でも、これもクロムが混ざっているんだからステンレスだ、なんて言われると困る。そこで、クロムが13%以上入っている鉄のことをステンレスと言うことにした。このため、ステンレスと書いてあるなら、必ずクロムが13%含まれており、場合によってはそれ以上のクロムや他の金属が混ざった鉄だと言える。また、クロム以外でステンレスに混ぜ込む代表的な金属がニッケルだ。クロムとニッケルを入れるとその相乗効果でより錆に強く使いやすくなる。その代表格がクロム18%、ニッケル8%入っているステンレス、通称18-8ステンレスだ。このためちょっといいステンレス製のフォークの柄の裏を見ると、18-8ステンレスと書いてある。品質がいいですよという証だ。安いフォークの裏にはそんなことは書いていない。
 余談だけれど、18-8ステンレスかどうかの簡単な見極め方がある。それは、磁石を近づけてみること。18-8ステンレスは磁石にほとんどくっつかない。加工されているところでわずかに磁性を感じるかもしれないけれど、基本はくっつかない。一方で、安いステンレスは大抵磁石にくっつく。ただし、例外的に磁石にくっつくけど高いステンレスもあるし、磁石にくっつかないけど安いステンレスもあるので、保証の限りではないけれど。
 長々と説明してきたけれど、つまり18-8ステンレスとはクロム18%、ニッケル8%が混ぜられたステンレスであり、家庭で使う分には十分錆に強い力がある。
 そして、僕の買ったランチボックスは18-10ステンレスだからクロム18%、ニッケル10%が混ぜられていて、18-8ステンレスよりも一段ランクが高い。ニッケルが2%違うだけじゃないかと思うかもしれないけれど、この2%は結構大きい。よって、18-10ステンレスのランチボックスは材質的にハイクオリティだと思ってよい。材質だけの話でこんなに長々と話をしてしまった。僕には材質マニアな側面があるので、また他の話もするかもしれない。フライパンの材質の話とかね。